2026.02.17
3歳までに決まる?子どもの虫歯リスクを減らす生活習慣
3歳までに決まる?子どもの虫歯リスクを減らす生活習慣
こんにちは。上本町の歯医者「上本町ヒルズ歯科クリニック」の院長、永井です。
日々の診療の中で、小さなお子さんを持つ親御さんから「うちの子、虫歯になりやすい体質なんでしょうか?」「何歳から歯医者に連れて行けばいいですか?」といったご質問をよくいただきます。
実は、お子さんの虫歯リスクは3歳頃までの生活習慣で大きく変わってくることをご存知でしょうか。今日は、小児歯科に長年携わってきた経験から、お子さんの虫歯予防について詳しくお話しさせていただきます。
目次
なぜ「3歳まで」が重要なのか
「3歳までが大切」と聞いて、驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。実はこれには、お口の中の細菌環境が深く関わっています。
虫歯菌の「感染の窓」
虫歯の原因となるミュータンス菌は、生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはいません。多くの場合、周囲の大人から感染します。特に生後1歳7ヶ月から2歳7ヶ月頃までは「感染の窓」と呼ばれ、虫歯菌が定着しやすい時期として知られています。
この時期にミュータンス菌の感染を防ぐ、あるいは感染しても菌の数を少なく抑えることができれば、その後の虫歯リスクを大きく下げることができます。逆に、この時期に大量の虫歯菌が定着してしまうと、生涯にわたって虫歯になりやすい口腔環境になってしまう可能性があるのです。
お口の中の細菌バランス
お口の中には、数百種類もの細菌が住んでいます。虫歯菌だけでなく、歯周病菌や、害のない菌も含めて、複雑な生態系を作っています。
3歳頃までにこの細菌バランスが決まると、その後は大きく変化しにくくなります。つまり、3歳までに良い菌のバランスを作っておけば、その後も虫歯になりにくいお口の環境を維持しやすくなるのです。
虫歯菌の感染を防ぐために
では、具体的にどのようなことに気をつければよいのでしょうか。
感染経路を知っておく
虫歯菌の主な感染経路は、唾液を介した接触です。具体的には次のような場面が考えられます。
- 同じスプーンや箸で食事を与える
- 大人が噛んだものを与える
- 口移しで食べ物を与える
- 同じコップで飲み物を飲む
- キスなどのスキンシップ
「愛情表現も控えなければいけないの?」と心配される親御さんもいらっしゃいますが、極端に神経質になる必要はありません。大切なのは、親御さん自身のお口の中を清潔に保つことです。
親御さんのお口のケアが最優先
私たちのクリニックでは「マイナス1歳からの予防」として、妊娠中のお母さんや、小さなお子さんを持つ親御さんの歯科検診を積極的にお勧めしています。
親御さんのお口の中の虫歯菌の数が少なければ、仮にお子さんに感染したとしても、その量は最小限に抑えられます。実際、当院で定期的にメンテナンスを受けていらっしゃる親御さんのお子さんは、虫歯になる確率が明らかに低いというデータもあります。
特に妊娠中はホルモンバランスの変化で歯周病になりやすい時期です。妊娠がわかったら、まずは歯科検診を受けることをお勧めします。当院では、体調に配慮しながら安全に治療やクリーニングを行っていますので、安心してご相談ください。
離乳食期からの食習慣が鍵
虫歯菌の感染を完全に防ぐことは現実的ではありません。それよりも大切なのは、虫歯になりにくい食習慣を身につけることです。
だらだら食べが一番危険
虫歯菌は、糖分を栄養にして酸を作り出し、歯を溶かします。食事のたびにお口の中は酸性に傾きますが、通常は唾液の力で30分から1時間ほどで中性に戻ります。
ところが、だらだらと長時間食べ続けたり、頻繁に間食したりすると、お口の中が常に酸性の状態になり、虫歯リスクが跳ね上がります。
理想的な食事リズム
離乳食期から、規則正しい食事リズムを作ることが大切です。
基本的な食事のタイミング
- 食事は1日3回、決まった時間に
- おやつは1日1〜2回、時間を決めて
- 食事と食事の間は最低2時間空ける
- 寝る前1時間は何も食べない
特に、寝る前の授乳やミルクには注意が必要です。夜間は唾液の分泌が減るため、虫歯のリスクが高くなります。離乳食が始まったら、徐々に寝る前の授乳を減らしていくことをお勧めします。
おやつの選び方
おやつは、子どもの成長に必要な栄養を補う「第4の食事」という位置づけで考えましょう。
虫歯になりにくいおやつの例
- おにぎり
- ふかし芋
- チーズ
- ヨーグルト(無糖)
- 果物(丸ごと)
避けたいおやつ
- キャラメルやグミなど、歯にくっつきやすいもの
- 飴など、長時間お口の中に入れておくもの
- ジュースや乳酸菌飲料の頻繁な摂取
どうしても甘いものを与える場合は、量と頻度を決めて、食後のケアをしっかり行うことが大切です。
歯が生えたら始める歯みがき習慣
最初の歯が生えたら歯科デビュー
当院では、最初の歯が生えたタイミングでの歯科受診をお勧めしています。多くの場合、生後6ヶ月前後です。
「まだ早いのでは?」と思われるかもしれませんが、この時期から定期的に通うことで、次のようなメリットがあります。
早期から通院するメリット
- お子さんが歯医者に慣れる
- 成長に合わせた歯みがき指導が受けられる
- 仕上げ磨きのコツを学べる
- 離乳食の進め方など、生活習慣のアドバイスが受けられる
- 虫歯を早期発見できる
実際、当院のカムカムクラブ(小児予防プログラム)に小さい頃から通っているお子さんは、歯医者を怖がることなく、自然に予防習慣が身についています。
年齢別の歯みがきポイント
0〜1歳:慣れることが目標
最初は、ガーゼや綿棒で歯の表面を優しく拭く程度で構いません。まずは「お口を触られること」に慣れることが大切です。機嫌の良いときに、楽しい雰囲気で行いましょう。
歯が数本生えてきたら、赤ちゃん用の歯ブラシを使い始めます。この時期は「磨く」というよりも「歯ブラシに慣れる」ことが目的です。
1〜2歳:仕上げ磨きが本格化
奥歯が生えてくるこの時期は、虫歯のリスクが高まります。特に奥歯の溝や、歯と歯の間は丁寧に磨きましょう。
子どもに歯ブラシを持たせて、自分で磨く真似をさせることも大切です。ただし、この時期はまだ上手に磨けないので、必ず親御さんが仕上げ磨きをしてください。
2〜3歳:自立心を育てながら
「自分でやりたい」という気持ちが強くなる時期です。まずは自分で磨かせて、その後必ず仕上げ磨きをするという習慣を作りましょう。
仕上げ磨きを嫌がるお子さんも多いですが、短時間でも毎日続けることが大切です。当院では、お子さんが楽しく歯みがきできるような工夫もアドバイスさせていただいています。
フッ素の活用
フッ素には、歯を強くする、初期虫歯を修復する、虫歯菌の活動を抑えるという3つの効果があります。
家庭でできるフッ素ケア
- フッ素入り歯みがき粉の使用(年齢に応じた適量を)
- フッ素洗口液(うがいができるようになってから)
さらに効果的なのが、歯科医院での定期的なフッ素塗布です。当院では、3〜4ヶ月ごとのフッ素塗布をお勧めしています。高濃度のフッ素を塗布することで、より確実な予防効果が期待できます。
生活リズム全体を見直す
虫歯予防は、歯みがきだけでは不十分です。生活全体を見直すことで、より効果的な予防ができます。
十分な睡眠
成長ホルモンは、深い睡眠中に最も多く分泌されます。十分な睡眠は、歯や顎の健康な発育にも欠かせません。
また、疲れていると免疫力が下がり、お口の中の細菌バランスも崩れやすくなります。年齢に応じた十分な睡眠時間を確保しましょう。
よく噛む習慣
よく噛むことで唾液の分泌が促進され、お口の中の自浄作用が高まります。離乳食の時期から、少しずつ噛みごたえのあるものを取り入れていきましょう。
また、よく噛むことは顎の発育にもつながります。顎がしっかり発育すれば、将来的に歯並びが良くなる可能性も高まります。
免疫力を高める
バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠は、全身の健康だけでなく、お口の健康にも直結します。
特に腸内環境とお口の環境には関連があるとされています。発酵食品や食物繊維を積極的に取り入れるなど、腸内環境を整えることも意識してみてください。
親御さんへのサポート体制
虫歯予防の大切さは理解していても、実際に毎日実践するのは簡単なことではありません。特に小さなお子さんを育てながらの実践は、本当に大変だと思います。
保育サービスで安心の通院
当院では、火曜日と木曜日の午前中に保育サービスを実施しています。保育士がお子さんをお預かりしますので、親御さんは安心して治療やメンテナンスを受けていただけます。
「子どもを連れて歯医者に行くのが大変で、つい自分のケアは後回しに…」という声をよく聞きます。でも、先ほどお話ししたように、親御さんのお口のケアこそが、お子さんの虫歯予防の第一歩なのです。
保育サービスのポイント
- 保育士による安心のお預かり
- 別途費用は不要
- 予約制(事前にお申し付けください)
小さなお子さんがいらっしゃる方こそ、ぜひ保育サービスをご利用ください。お子さんが遊んでいる間に、リラックスして自分のケアができると好評をいただいています。
定期的なサポート
当院では、お子さんの成長段階に合わせた予防プログラム「カムカムクラブ」を実施しています。
定期検診で行うこと
- 虫歯のチェック
- 歯みがき指導
- フッ素塗布
- 食生活のアドバイス
- 発育状態の確認
また、親御さんの疑問や不安にも、丁寧にお答えしています。「こんなこと聞いてもいいのかな」と思うようなことでも、遠慮なくご相談ください。
3歳を過ぎても遅くない
ここまで「3歳までが大切」とお話ししてきましたが、「うちの子はもう4歳。もう遅いのでは?」と心配される必要はありません。
確かに3歳頃までの環境が重要ですが、それ以降も正しいケアを続けることで、虫歯リスクは確実に減らせます。実際、小学校高学年から予防を始めて、中学生、高校生になっても虫歯ゼロを維持しているお子さんもたくさんいらっしゃいます。
大切なのは、「今日から始める」という意識です。早ければ早いほど良いですが、遅すぎるということはありません。
家族みんなで取り組む予防
虫歯予防は、お子さんだけの問題ではありません。家族全員で取り組むことで、より効果的な予防ができます。
親御さんも一緒に
親御さんが楽しそうに歯みがきをする姿を見せることが、何よりの教育になります。また、定期検診に通う姿を見せることで、「歯医者は怖いところではない」という認識が自然に育ちます。
当院では、親子で一緒に通っていただけるよう、ファミリールームもご用意しています。お子さんが親御さんの治療を見学することもできますし、親御さんがお子さんの様子を見守ることもできます。
兄弟姉妹で
上のお子さんが楽しそうに歯みがきをしたり、歯医者に通ったりする姿は、下のお子さんにとって最高のお手本になります。
兄弟姉妹で一緒に歯みがきタイムを作る、一緒に歯科検診に行くなど、家族の習慣として定着させることをお勧めします。
まとめ:今日から始める虫歯予防
長くなりましたが、お子さんの虫歯予防についてお話しさせていただきました。最後に、今日から実践できるポイントをまとめます。
0〜3歳で特に意識したいこと
- 親御さん自身のお口のケアを徹底する
- 規則正しい食事リズムを作る
- だらだら食べをさせない
- 最初の歯が生えたら歯科検診を受ける
- 毎日の歯みがき習慣を楽しく継続する
- 定期的なフッ素塗布を受ける
虫歯は、生活習慣病の一つです。正しい知識を持って、毎日コツコツと予防を続けることで、確実にリスクを減らすことができます。
当院では、お子さん一人ひとりの成長に寄り添いながら、長期的な視点で予防をサポートしています。「虫歯になったら治す」のではなく、「虫歯にならないように守る」ことが、私たちの使命だと考えています。
お子さんの歯のことで気になることがあれば、どんな小さなことでも構いません。ぜひお気軽にご相談ください。上本町ヒルズ歯科クリニックは、大阪赤十字病院のすぐ西隣、上本町駅から徒歩5分の場所にあります。
お子さんの健やかな成長を、お口の健康からサポートさせていただきます。皆さまのご来院を、スタッフ一同心よりお待ちしています。
上本町ヒルズ歯科クリニック
院長 永井美也子
診療時間
平日:9:00〜13:00 / 14:30〜18:30
土曜:9:00〜13:00 / 14:00〜18:00
休診日:水曜・日曜・祝日
所在地
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お問い合わせ
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