2026.10.10
歯みがきで血が出るのは歯周病のサイン?上本町の歯医者が教える歯ぐきのセルフチェックと治療の流れ
上本町の歯医者「上本町ヒルズ歯科クリニック」の院長、永井美也子です。
「歯みがきのたびに、歯ブラシが少しピンク色になるんです」「でも痛くないし、そのうち治るかなと思って」。診療室でお話をうかがっていると、こうしたお声をよく耳にします。歯ぐきからの出血は、多くの方が一度は経験されるものだけに、つい見過ごされがちです。
けれども、歯ぐきの出血は歯周病のはじまりを知らせるサインであることが少なくありません。歯周病は初期にはほとんど痛みがなく、気づいたときには進んでいることが多い病気です。今日は、歯ぐきから血が出るしくみと、ご自宅でできるセルフチェック、そして当院での検査から治療、メンテナンスまでの流れを、できるだけわかりやすくお話ししたいと思います。
模型を使いながら、歯ぐきの状態をていねいにご説明しています
目次
歯みがきで血が出るのはなぜ?歯ぐきの中で起きていること
健康な歯ぐきは、うすいピンク色で引きしまっていて、ふつうの力で歯みがきをしても血が出ることはほとんどありません。ところが、歯と歯ぐきの境目に歯垢(プラーク)がたまると、その中の細菌に反応して歯ぐきに炎症が起こります。炎症を起こした歯ぐきは赤く腫れ、ちょっとした刺激でも出血しやすくなります。
歯垢とは、食べかすではなく、細菌のかたまりのことです。歯の表面にネバネバと付着していて、うがいだけではなかなか落ちません。そのまま時間がたつと、唾液の成分と結びついて硬い歯石に変わります。歯石は表面がザラザラしているため、さらに歯垢がつきやすくなり、炎症が長引く原因になります。
「強くみがきすぎたから」だけではないことも
出血があると「力を入れすぎたのかな」と考えて、その部分のみがき方を弱めたり、避けたりされる方もいらっしゃいます。もちろん、ゴシゴシと強すぎる歯みがきで歯ぐきを傷つけてしまうこともあります。けれども、炎症が原因の出血であれば、そこを避けるほど歯垢が残り、かえって状態が悪くなってしまうことがあります。
血が出るところは怖くて、なるべく触らないようにしていました。かえって良くなかったんですね。
こうしたお話はとても多いのです。出血している場所こそ、正しい方法でやさしく、ていねいにみがくことが大切になります。どのようにみがけばよいかは、お口の状態によって一人ひとり違いますので、ぜひ一度ご相談ください。
ご自宅でできる歯周病のセルフチェック
歯周病は、ご自身では気づきにくい病気です。まずは次の項目を、鏡を見ながら確認してみてください。
こんなお悩み、ありませんか?
- 歯みがきのときに、歯ブラシに血がつくことがある
- 朝起きたとき、口の中がネバネバする
- 歯ぐきが赤っぽく、ぷっくり腫れているところがある
- 以前より歯が長くなったように見える
- 歯と歯のすき間に食べものがはさまりやすくなった
- 冷たいものがしみることがある
- 硬いものをかむと、歯が浮いたような感じがする
- 家族やまわりの人から口のにおいを指摘されたことがある
ひとつでも当てはまる項目があれば、歯ぐきに何らかの変化が起きているかもしれません。ただし、このチェックはあくまで目安です。チェックがつかなくても、歯ぐきの奥で歯周病が進んでいることもあります。逆に、当てはまるからといって、すぐに大がかりな治療が必要になるとは限りません。正確な状態は、歯科医院での検査で確かめることができます。
セルフチェックで気になる項目があっても、どうか一人で悩まないでください。当院にはお話をゆっくりうかがうための個室のカウンセリングルームがあります。「何から聞けばいいかわからない」という段階でも大丈夫です。
歯周病はどう進む?痛みがないまま進行する理由
歯周病は、歯ぐきの炎症からはじまり、少しずつ歯を支える骨にまで影響が広がっていく病気です。大きく分けると、次のような段階をたどります。
左から、健康な状態、歯ぐきに炎症が起きた状態、歯を支える骨が減ってしまった状態
歯ぐきだけに炎症がある段階
歯垢の細菌によって、歯ぐきが赤く腫れ、出血しやすくなっている状態です。この段階であれば、毎日の歯みがきを見直し、歯科医院でのクリーニングを受けることで、歯ぐきが落ち着いていくことが多いです。
歯周ポケットが深くなっていく段階
炎症が続くと、歯と歯ぐきの間のすき間である歯周ポケットが深くなっていきます。ポケットの奥は歯ブラシの毛先が届きにくく、空気を嫌う歯周病菌が住みつきやすい環境です。このころから、歯を支える骨が少しずつ溶けはじめます。
歯を支える骨が大きく減ってしまう段階
さらに進むと、歯ぐきが下がって歯が長く見えたり、歯がぐらついたりするようになります。この段階でも強い痛みがないことがあり、「急に歯が揺れてきた」と驚いて来院される方もいらっしゃいます。
統計によると、30歳以上の方の80%以上が歯周病にかかっているといわれています。また、歯を失う原因として最も多いのは、むし歯ではなく歯周病です。むし歯のように「しみる」「痛い」といったわかりやすいサインが出にくいことが、歯周病のこわさでもあります。
お口だけの問題ではありません
歯周病は、全身の健康とも関わりがあると考えられています。たとえば糖尿病とは深い関係があるとされ、糖尿病の方は歯周病が重くなりやすく、歯周病があると糖尿病の状態にも影響しやすいといわれています。また、妊娠中の方の歯周病は、早産や低出生体重児のリスクと関係があることもわかってきました。妊娠中も歯周病の治療は可能ですので、体調の落ち着く安定期にご相談いただければと思います。
上本町ヒルズ歯科の歯周病治療の流れ
当院では、歯周病治療を「検査」「診断」「治療」「再検査」「メンテナンス」という流れで進めています。いきなり治療をはじめるのではなく、まずお口の状態をきちんと把握し、どのような治療が必要か計画を立ててから進めていきます。
はじめての方には、個室のカウンセリングルームでお悩みをうかがいます
まずはお話をうかがいます
はじめて来院された方には、カウンセリングルームで気になっていることやご希望をうかがいます。当院の考え方を知っていただくための「初診セット」というオリジナル資料もお渡ししています。歯科医院に苦手意識がある方も、まずはお気持ちをお聞かせください。
歯周ポケットの検査
歯ぐきを細い器具でそっとつついて、チクチクした経験はありませんか。あれは歯周ポケットの深さを測る検査です。歯の周りを一か所ずつ確認し、どこに炎症があるのか、どのくらい進んでいるのかを調べます。この検査は治療の前だけでなく、定期的に行うことで歯ぐきの変化を追いかけることができます。
歯石や汚れを取りのぞく治療
歯周病治療の基本となるのがスケーリングです。スケーリングとは、歯の表面や歯周ポケットの中についた歯石や汚れを、専用の器具で取りのぞく処置のことです。歯周病が進んでいる場合は、見えている部分だけをきれいにしても十分とはいえません。歯ぐきの奥にこびりついた歯石を、必要に応じて麻酔を使いながら取りのぞいていきます。
担当の歯科衛生士が、歯ぐきの奥まで一本ずつ確認しながら処置を行います
もう一度検査をして確認します
基本の治療が終わったら、あらためて検査と診断を行い、問題が残っていないかを確かめます。必要があれば、もう一度治療を行います。歯ぐきの状態は一人ひとり違いますので、治療の回数や期間も、検査の結果を見ながらご相談して決めていきます。
担当歯科衛生士と二人三脚で続けるメンテナンス
歯周病は生活習慣病のひとつです。治療によって歯ぐきが落ち着いても、毎日の習慣が変わらなければ、また同じことがくり返されてしまいます。だからこそ、治療が終わってからのメンテナンスがとても大切になります。
一人の患者さんを一人の歯科衛生士が担当します
当院では、一人の患者さんを一人の歯科衛生士が担当する「歯科衛生士担当制」をとっています。毎回同じ衛生士がお口を見ることで、「前回より歯ぐきが引きしまってきましたね」「この奥歯の内側は、まだ少し出血がありますね」といった細かな変化に気づきやすくなります。顔なじみの衛生士がいることで、リラックスして通っていただけるという面もあります。
当院の歯科衛生士たちは、講習会に参加したり本を読んだりしながら、知識や技術の向上に努めています。技術だけでなく、話し方や接し方も含めて、安心して任せていただける存在でありたいと考えています。
予防サロンのケア専用チェア
明るく落ち着いた雰囲気の診療室
削らない空間「上本町予防サロン」
メンテナンスは、院内の「上本町予防サロン(ウエルカムサロン)」で行っています。ここは歯を削ったり詰めたりする治療は行わないドリルフリーゾーンです。歯科医院特有の削る音やにおいが苦手な方にも、落ち着いてお口のケアを受けていただけるよう、チェアや照明、内装にもこだわりました。完全予約制ですので、急な患者さんの対応でお待たせすることもありません。
歯周病の予防と再発を防ぐためには、定期的な検査とクリーニングを続けていくことが何よりの近道です。「治療のために通う」のではなく、「健康なお口を保つために通う」。そんな歯医者さんとのつきあい方を、ぜひ一緒に続けていけたらうれしく思います。
歯ぐきの出血が気になるときに、ご自宅で心がけたいこと
歯科医院での治療やメンテナンスと同じくらい大切なのが、毎日のセルフケアです。ご自宅でできることを、いくつかご紹介します。
歯と歯ぐきの境目を意識してみがく
歯垢がたまりやすいのは、歯と歯ぐきの境目です。歯ブラシの毛先をその境目に当て、小刻みにやさしく動かすことを意識してみてください。力を入れすぎる必要はありません。出血があっても、炎症によるものであれば、やさしいブラッシングを続けるうちに落ち着いてくることがよくあります。
歯と歯の間のケアも忘れずに
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れは取りきれません。デンタルフロスや歯間ブラシを取り入れると、歯ぐきの状態が変わってくることがあります。歯間ブラシはすき間の大きさに合ったサイズを選ぶことが大切ですので、どれを使えばよいか迷ったら、担当の衛生士にお気軽にお声がけください。
生活習慣も見直してみましょう
疲れや睡眠不足が続くと、歯ぐきが腫れやすくなることがあります。また、喫煙は歯周病を悪化させる要因のひとつといわれています。バランスのよい食事や規則正しい生活は、全身の健康だけでなく、歯ぐきの健康にもつながります。
出血がなかなかおさまらない、歯ぐきの腫れが続く、歯がぐらつくといった場合は、セルフケアだけで様子を見ずに、早めに受診してください。早い段階で見つかるほど、治療の負担も少なくてすむことが多いのです。
まとめ
歯みがきのときの出血は、歯ぐきからの小さなSOSかもしれません。痛みがないからこそ、気づいたときが見直しのタイミングです。今日お話ししたポイントを、最後に整理しておきます。
- 歯ぐきからの出血は、歯垢による炎症が原因のことが多く、歯周病の初期サインの可能性があります
- 出血する場所を避けず、歯と歯ぐきの境目をやさしくていねいにみがきましょう
- 歯周病は初期から中期まで痛みがほとんどなく、気づかないうちに進むことがあります
- 当院では検査、診断、治療、再検査、メンテナンスの流れで歯周病治療を進めています
- 担当歯科衛生士と一緒に定期的なメンテナンスを続けることが、再発を防ぐ近道です
- 出血や腫れが続くときは、早めにご相談ください
上本町ヒルズ歯科クリニックは、大阪上本町駅から徒歩5分、大阪赤十字病院の西隣にあります。歯ぐきのことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。担当の歯科衛生士とともに、あなたのお口の健康を長く見守っていけたらと思っています。
| 医院名 | 上本町ヒルズ歯科クリニック |
|---|---|
| 所在地 | 〒543-0027 大阪府大阪市天王寺区筆ヶ崎町5-52-201(ウェルライフ上本町2階) |
| アクセス | 大阪上本町駅から徒歩5分、大阪赤十字病院の西隣 |
| 電話番号 | 06-6774-4182 |
| 診療時間 | 月・火・木・金 9:00〜13:00/14:30〜18:30 土 9:00〜13:00/14:00〜18:00 最終受付は診療終了の30分前です |
| 休診日 | 水曜・日曜・祝日 |
| 託児サービス | 火曜・木曜の午前に、保育士による託児を行っています |




