2026.10.31
子どもの歯並びが気になったら|上本町の歯医者が伝える相談のタイミングと「できるだけ抜かない」小児矯正の考え方
上本町の歯医者「上本町ヒルズ歯科クリニック」の院長、永井美也子です。
お子さんの仕上げみがきをしているときに、「前歯が少し重なっているみたい」「下の歯が上の歯より前に出ている気がする」と気づいて、ドキッとしたことはありませんか。診療室でも、保護者の方から「歯並びは、いつ相談すればいいのでしょう」「矯正って、やっぱり歯を抜くんですか」というご質問をよくいただきます。
歯並びは見た目だけの問題ではなく、食べる、話す、呼吸するといった毎日の働きともつながっています。そして子どもの時期は、あごや口まわりの筋肉がぐんぐん育っていく大切な時期でもあります。今日は、子どもの歯並びが気になったときに知っておいていただきたいことと、当院の小児矯正の考え方を、できるだけわかりやすくお話しします。
目次
子どもの歯並び、こんなことが気になっていませんか
まずは、保護者の方からよくお聞きする「気になるサイン」を挙げてみます。ひとつでも当てはまったら、それは相談のきっかけと考えていただいて大丈夫です。
こんなお悩み、ありませんか?
- 前歯が重なって生えてきた、ガタガタしている
- 下の前歯が上の前歯より前に出ている(受け口っぽい)
- 上の前歯が大きく前に出ている気がする
- 奥歯で噛んだときに、前歯の上下にすき間ができる
- テレビを見ているときなど、口がぽかんと開いていることが多い
- 食べるのに時間がかかる、あまり噛まずに飲み込んでいる
- 乳歯が抜けたのに、なかなか大人の歯が生えてこない
こうしたサインは、成長とともに自然に落ち着いていくこともあれば、早めに手を打ったほうがよいこともあります。ご家庭で見ているだけでは判断がむずかしいので、「様子を見ていいのかどうか」を確かめるつもりで、気軽にご相談ください。
気になることは、どんな小さなことでもお聞かせください
歯並びが乱れる理由は「歯」だけではありません
歯並びというと「歯が大きいから」「あごが小さいから」と、生まれつきのものだと思われがちです。もちろんそれも理由のひとつですが、実はそれだけではありません。
遺伝的な要因と、育つなかでの要因
歯並びの原因には、親から受け継いだ骨格や歯の大きさといった遺伝的なものと、毎日の生活のなかで少しずつ影響を受ける後天的なものがあります。後天的な要因は、生活習慣を見直すことで変えていける部分でもあります。だからこそ、子どものうちから関わる意味があるのです。
舌の位置、口まわりの筋肉、呼吸
歯は、内側から舌に、外側から唇や頬の筋肉に押されて、そのバランスがとれた場所に並びます。ふだん舌が低い位置にあったり、口が開いたままで唇の力が弱かったりすると、このバランスがくずれて歯並びに影響することがわかっています。
口がぽかんと開いている状態が続くと、口で呼吸するくせがつきやすくなります。お口が乾きやすくなり、むし歯や歯ぐきの炎症にもつながりやすいので、歯並びの面だけでなく、お口全体の健康のためにも気にかけていただきたいポイントです。
よく噛むことと、あごの成長
あごの骨や口まわりの筋肉は、噛むことでしっかり育っていきます。やわらかいものばかりを食べていたり、飲み物で流し込むくせがあったりすると、噛む力が育ちにくくなります。指しゃぶりや頬杖、うつぶせ寝などのくせも、長く続くと歯並びに影響することがあります。
私自身、口腔機能発達サポーター養成講座で、子どもの「食べる・話す・呼吸する」機能の育ちについて学んできました。歯並びは、こうしたお口の働きと切り離せません。歯だけを見るのではなく、お子さんの毎日の様子も含めてお話を伺うようにしています。
相談のタイミングの目安は、前歯が生え変わる6歳ごろ
「何歳になったら相談すればいいですか」というご質問には、前歯が生え変わる6歳ごろが、相談に適した時期のひとつとお答えしています。とはいえ、これはあくまで目安です。気になったときが、相談のタイミングだと思ってください。
3〜5歳乳歯がそろっている時期
乳歯は上下合わせて20本あります。この時期は、乳歯の歯並びそのものよりも、口が開いていないか、よく噛んで食べているか、指しゃぶりが続いていないかといった、お口の使い方を見ていく時期です。乳歯のすき間は、大きな永久歯が並ぶためのスペースでもあるので、すき間があることは心配いりません。
6〜8歳ごろ前歯が生え変わる時期
大人の前歯や6歳臼歯が生えてくると、あごの大きさと歯の大きさのバランスが見えてきます。この時期は、成長の力を活かしながら、永久歯がきれいに並ぶための準備ができる時期でもあります。生え変わりには個人差や性別差がありますので、ほかのお子さんと比べて早い遅いを気にしすぎず、心配なときはご相談ください。
9歳以降永久歯が増えてくる時期
横の歯や犬歯が生え変わっていく時期です。あごの成長を活かした対応がむずかしくなるわけではありませんが、早めに状態を知っておくと、選べる方法の幅が広がります。「もう遅いかも」と迷っている方も、まずは今の状態を一緒に確認してみましょう。
「相談に行ったら、すぐに矯正を始めることになりますか?」
保護者の方から、よくいただくご質問です。相談したからといって、すぐに治療を始めるわけではありません。今の状態と、これからどんな変化が予想されるかをお伝えし、経過を見ていくのがよいのか、準備を始めたほうがよいのかを一緒に考えます。決めるのは、お子さんとご家族です。
上本町ヒルズ歯科クリニックの小児矯正の考え方
個室のカウンセリングルーム
落ち着いた雰囲気の診療室
できるだけ、健康な歯を抜かない
当院が小児矯正でいちばん大切にしているのは、できるだけ歯を抜かないことです。成長期に歯を抜くことで、呼吸や食べる働き(噛む、飲み込む)に影響したり、あごの成長が妨げられたりすることがあるためです。お子さんの成長の力を活かしながら、永久歯がきれいに生えるための準備をしていくことを目指しています。
小児歯科と矯正歯科が一体になっています
当院では、むし歯などを診る小児歯科と、歯並びを整える矯正歯科が一体になっています。そのため、ふだんの検診やむし歯の治療の途中でも、歯並びについてのアドバイスができ、ご希望があれば小児矯正へスムーズに進めます。もちろん、矯正中もむし歯や歯ぐきの状態を確認していきます。矯正装置がつくと歯みがきがむずかしくなるので、ここはとても大事なところです。
検査と診断に、時間をかけます
矯正治療は、年単位の時間がかかる治療です。だからこそ、始める前の検査と診断にしっかり時間をかけ、お子さんと保護者の方に納得していただいてから進めます。お子さん自身が「やってみよう」と思えることも、続けていくうえで欠かせません。年齢に合わせた言葉で、何をするのかを説明するようにしています。
費用と、知っておいていただきたいこと
矯正相談は無料で承っています。小児矯正は保険適用外の自由診療で、精密検査は33,000円(税込)、診断は5,500円(税込)です。治療費は、子どもの歯が生える時期に始める短期間のもので約385,000円(税込)、前歯が生え変わった時期から始める長期間のもので約770,000円(税込)を目安としています。詳しくは料金表をご覧いただくか、相談の際にお尋ねください。
また、治療期間や仕上がりには個人差があります。装置をつけ始めたころの違和感や痛み、歯みがきがしにくくなることによるむし歯や歯ぐきの炎症のリスク、装置の使用時間が守れないと計画どおりに進みにくいことなども、事前に丁寧にご説明します。
ご家庭でできる、歯並びのための毎日の習慣
矯正をするかどうかにかかわらず、ご家庭での習慣は歯並びとお口の健康を支える土台になります。むずかしいことではないので、できるところから始めてみてください。
ひと口ごとに、よく噛んで食べる
食事のときは、飲み物で流し込まず、ひと口ずつよく噛むことを意識してみてください。根菜や少し歯ごたえのある食材を献立に取り入れるのもおすすめです。食育指導士として、毎日の食事はお口を育てる時間だとお伝えしています。
足の裏がつく姿勢で食べる
椅子が高くて足がぶらぶらしていると、しっかり噛みにくくなります。足台を置くなどして、足の裏が床や台につく姿勢で食べられるようにすると、噛む力が入りやすくなります。
口を閉じて、鼻で呼吸する
ふだん口がぽかんと開いていないか、ときどき見てあげてください。気づいたときに「お口を閉じようね」と声をかけるだけでも、意識が変わっていきます。鼻づまりが続いている場合は、耳鼻科で相談されることもおすすめします。
指しゃぶりや頬杖などのくせに気づく
無理にやめさせようとすると、かえって続いてしまうこともあります。どんなときにしているのかを見守りながら、気になる場合はご相談ください。お子さんの気持ちに寄り添いながら、一緒に考えていきます。
カムカムクラブでは、むし歯のないお友達に「カムカムけしごむ」をプレゼントしています
親子で通い続けやすい環境づくり
歯並びは、ある日突然変わるものではありません。成長に合わせて定期的に見ていくことで、変化に早く気づくことができます。当院では、お子さんが楽しく通い続けられるような工夫をしています。
カムカムクラブで、定期的にお口をチェック
「カムカムクラブ」は、むし歯のないお子さんが今の健康な歯を守るために、3か月に1度通っていただく会です。来院ごとに健康ノートにスタンプを押し、5個集まるとカムカム缶バッチ、10個集まるとオリジナルカレンダーをプレゼントしています。定期的に通っていただくなかで、歯並びの変化にも目を配っています。
子ども専用の待合室とケアルーム
院内には、子ども専用の待合室と子ども専用ケアルームがあります。待合室の遊具や家具はボーネルンドのものを選んでいて、待ち時間も楽しく過ごしていただけます。
明るい待合室。奥には子ども専用のスペースもあります
託児サービスと土曜診療
火曜・木曜の午前(9時〜13時)は、保育士による託児サービスを行っています。下のお子さんを連れての通院や、保護者の方ご自身の治療のときにもご利用ください。土曜日も診療していますので、平日は学校や習いごとで忙しいお子さんも通いやすいと思います。
スタッフ一同、お子さんの成長を一緒に見守っていきます
まとめ
子どもの歯並びは、歯の大きさやあごの形だけでなく、舌の位置や口まわりの筋肉、呼吸、噛み方など、毎日の習慣とも深く関わっています。今日お話ししたことを、最後に整理しておきます。
- 前歯の重なりや受け口、口がぽかんと開くなど、気になるサインがあれば相談のきっかけに
- 相談の目安は前歯が生え変わる6歳ごろ。ただし、気になったときがいちばんのタイミング
- 当院の小児矯正は、成長の力を活かして、できるだけ健康な歯を抜かないことを大切にしています
- 矯正相談は無料。費用やリスクも事前に丁寧にご説明します
- よく噛む、足の裏がつく姿勢、口を閉じて鼻で呼吸する、を毎日の習慣に
- カムカムクラブで定期的に通いながら、歯並びの変化も一緒に見守っていきましょう
「うちの子の歯並び、このままで大丈夫かな」と感じたら、どうぞひとりで悩まずにお声がけください。お子さんの今の状態とこれからの見通しを、わかりやすくお伝えします。お子さんとご家族にお会いできるのを、スタッフ一同楽しみにしています。
| 医院名 | 上本町ヒルズ歯科クリニック |
|---|---|
| 所在地 | 〒543-0027 大阪府大阪市天王寺区筆ヶ崎町5-52-201(ウェルライフ上本町2階) |
| アクセス | 近鉄大阪上本町駅より徒歩5分、JR・近鉄・地下鉄 鶴橋駅より徒歩5分、地下鉄谷町九丁目駅より徒歩8分(大阪赤十字病院の西隣) |
| 電話番号 | 06-6774-4182 |
| 診療時間 | 月・火・木・金 9:00〜13:00/14:30〜18:30 土 9:00〜13:00/14:00〜18:00 (最終受付は終了30分前) |
| 休診日 | 水曜・日曜・祝日 |
| 託児サービス | 火曜・木曜 午前(9:00〜13:00)保育士による託児 |

